猫に皮下補液を投与する際の注意点

皮下補液療法は、猫の慢性腎臓病(CKD)の管理に非常に効果的ですが、正しく投与された場合に限ります。過剰な補液は肺水腫(肺に過剰な水分がたまり、酸素の流れを妨げる状態)を引き起こす可能性があり、息切れ、咳、不自然な呼吸音などの症状が現れることがあります。

また、不適切な補液のもう一つの問題は、血液量の増加によって肺の血管にかかる圧力が上昇し、ダメージを与えて酸素供給を妨げる可能性があることです。これにより、猫の呼吸障害が悪化し、エネルギーを失い、酸素不足によって歩行が困難になることがあります。さらに、心臓にもストレスがかかり、血流を妨げる可能性があります。

補液の選択も重要であり、 不適切な成分や誤った分量は電解質バランスの乱れを引き起こす可能性があります。例えば、ナトリウムの過剰摂取は体内の水分バランスを崩し、猫の肺や心臓に負担をかける可能性があります。一方、カリウムが不足または過剰になると、不整脈を引き起こし、肺や心臓への血流を妨げることがあります。これらの問題を防ぐために、定期的な血液検査を実施し、電解質バランスを監視しながら必要に応じて調整することが重要です。

もう一つの潜在的なリスクとして、感染の可能性が挙げられます。補液や器具が適切に消毒されていない場合、猫が皮下感染を起こし、重症化すると肺炎につながることがあります。感染した猫は、咳、エネルギーの低下、発熱などの症状を示すことがあります。これを防ぐために、補液バッグやシリンジの密封状態を確認し、シリンジや針は一度のみ使用することが重要です。 また、シリンジは使用前にアルコールで消毒し、猫の皮膚にむくみや赤み、腫れがないか慎重に確認してください。補液バッグは開封後24時間以内に使用し、残った分はすぐに廃棄するようにしましょう。

適切な補液投与のために、飼い主は猫の体重や健康状態に適した補液の種類と量を慎重に選び、1回ですべてを投与するのではなく、1日のうちに複数回に分けてゆっくりと投与することが重要です。 補液後は、猫のエネルギーレベル、歩行能力、呼吸の様子を注意深く観察し、異常が見られた場合は直ちに補液療法を中止する必要があります。

あなたの猫に、手遅れになる前にCKDケアを!