静脈内補液と皮下補液、どちらが良いのか?

静脈内(IV)補液と皮下(SubQ)補液にはそれぞれ長所と短所があり、どちらを選択するかは猫の状態や治療の目的によります。

IV補液療法は、猫の状態が急激に悪化した際に使用されます。この療法は毒素の除去や腎機能のサポートに効果的であり、急な脱水、毒素の蓄積、急性の電解質異常などの際に適しています。しかし、長期間の投与は困難であり、動物病院での処置が必要となるため、自宅での管理はできません。 また、感染や血管損傷のリスクもあるため、基本的には緊急時のみに使用すべき治療法です。

一方、皮下補液療法は長期的かつ安定したケアに適しています。 この方法は比較的簡単な処置であり、飼い主が自宅で実施できるため、通院の負担を軽減できます。また、血管を傷つけるリスクがないため、安全性が高いのも特徴です。皮下補液は吸収に時間がかかるものの、ゆっくりと体内に取り込まれるため、猫や飼い主のストレスを軽減できます。 しかし、吸収が遅いため急性の症状には効果が限定的であり、頻繁な注射によって浮腫(むくみ)や違和感が生じる可能性もあります。

最終的に、IV補液は緊急時の対応に適しており、SubQ補液は長期的な管理に適しています。 CKD(慢性腎臓病)の猫の場合、長期的な維持管理が必要なため、基本的には皮下補液が推奨されます。一方、IV補液は補助的な手段として、一時的な改善を目的に使用するのが理想的です。

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