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腎臓病の猫にマグロを与えてもいい?

マグロは猫の大好物ですが、腎臓病を抱える猫にとっては予期せぬリスクを伴う可能性があります。

食いしぶる猫でも、飼い主がマグロの缶詰を開けた瞬間に駆け寄ってくることは珍しくありません。

多くの猫がマグロを好むため、総合栄養食から缶詰、液状のおやつまで、さまざまな製品にマグロが使われています。食欲がないときに猫がマグロを喜んで食べてくれると、飼い主としても安心するものです。

しかし、気づけば食事もトリーツ(おやつ)もマグロ尽くしになってしまうことがあります。

猫が幸せそうに食べていると、水銀やカドミウムといった重金属のこと、そしてリンの含有量を見落としてしまいがちです。

健康な猫にとって、バランスの取れたマグロベースの総合栄養食は妥当な選択肢です。しかし、慢性腎臓病(CKD)を患っている場合、たとえ食べ慣れた食事であっても、改めて見直す必要があります。

愛猫の大好物が、腎臓の健康にとっては必ずしも最善の選択とは限らないのです。

マグロに含まれる水銀とカドミウムに注意

Watch Out for Mercury and Cadmium in Tuna

マグロには食物連鎖を通じて蓄積されるメチル水銀が含まれている可能性があります。これは身の部分に存在するため、色が薄いマグロであっても含有されることがあります。

メチル水銀を過剰に摂取すると神経系に悪影響を及ぼす恐れがあり、カドミウムもまた腎臓に蓄積し、長期間の過剰摂取により腎障害を引き起こす可能性があります。

2026年、Clean Label Projectは米国内で販売されている62ブランド、100種類のキャットフードを調査した結果を発表しました。

同カロリーで比較した場合、魚介類を主原料とする製品には、検査対象となった他の製品と比べて約18倍の水銀と、約2.5倍のカドミウムが含まれていました。

ウェットフードに限ると、魚ベースの製品は、他のタンパク質源を用いた製品に比べて約28倍もの水銀が含まれていたのです。

これらの数値は食品中の金属レベルを比較したものであり、直ちに腎臓病が悪化する可能性が同率で高まることを意味するわけではありません。

同じ製品を毎日与えるということは、そこに含まれる重金属を繰り返し摂取することになります。食事もおやつもマグロベースの場合は、与える頻度や量を見直してみましょう。

マグロに含まれるリンも腎臓の負担に

Phosphorus in Tuna Can Also Put a Strain on the Kidneys

リンは猫にとって不可欠な栄養素ですが、腎機能が低下すると、余分なリンを体外に排出する能力が弱まります。

そのため、慢性腎臓病(CKD)ではリンの摂取管理が重要であり、腎臓病ケア用の食事ではリン含有量が制限されています。

マグロにもリンは含まれています。たとえ腎臓病用の療法食に切り替えても、おやつに含まれるリンの量を見落とさないように注意が必要です。

愛猫の主食がマグロベースでありながら腎臓病用ではない場合、食事ごとのリンの含有量を考慮しましょう。すでに腎臓病用の食事を与えている場合でも、トリーツやトッピングのリン含有量を合計に含めることを忘れないでください。

朝にスプーン一杯のマグロ、昼間に液状おやつを半分、夜に残りを……というように、1回分は少量に思えても、1日を通すとリンの摂取量は蓄積されていきます。

フードやおやつを選ぶ際は、リンの含有量にも注目しましょう。ドライフードとウェットフードでは水分量やカロリーが異なるため、「100kcalあたりのリン含有量」で比較するのが有効です。

参考までに、腎臓病ケア用の食事は一般的に100kcalあたり80〜130mg程度のリンを含んでいます。

例えば、100kcalあたり200mgの製品は、上記の腎臓病ケア用食事の約1.5〜2.5倍のリンを含んでいることになります。これを主食として、あるいは頻繁なおやつとして与える場合は、そのリン含有量と愛猫が実際に食べる量に注意を払いましょう。

チキンやサーモンベースのフードも検討を

Consider Chicken- or Salmon-Based Foods

マグロに偏った食事から切り替えたい場合は、まずリンの含有量が管理されたチキンやサーモンベースの製品を検討してみてください。

水銀の摂取を抑えるには、チキンやその他の家禽類をベースにしたフードがおすすめです。

もし愛猫が魚を好むのであれば、サーモンベースのフードも選択肢の一つです。一般的に、サーモンはマグロよりも水銀含有量が少ない傾向にあります。

ただし、チキンやサーモンにもリンは含まれています。主食には必ず腎臓病ケアのために設計されたものを選び、おやつについてはリン含有量と1日の摂取量をチェックしましょう。

新しいフードを少量ずつ、普段の食事の横に添えてみてください。猫が気に入る風味や食感を見つけたら、愛猫の食欲を確認しながら、新しいフードの割合を徐々に増やしていきましょう。

切り替え中に食欲が落ちた場合は、食べ慣れたフードを十分に与え、ペースを落としてください。CKDの猫にとって、リンの管理と十分な食事量の確保の両方が重要です。

今日使ったフードやおやつのパッケージを確認してみてください。

もし食事もおやつもマグロばかりであれば、次の製品を選ぶ際は原材料とリンの含有量をチェックしましょう。

愛猫の腎臓の健康を気遣いつつ、楽しい食事時間を維持してあげてください。

情報源

[教育的免責事項]

本記事は情報提供のみを目的としており、獣医師による専門的な診断や治療、アドバイスに代わるものではありません。疾病の診断、治療、治癒、予防を目的としたものではありません。

愛猫の食事、サプリメント、またはケアルーチンを変更する前に、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。